一級建築士が教える、
飲食店リフォームにおける5つのポイント【前編】

売上拡大のためにお店をリフォームしたいと思ったとき、どこに頼むのが正しいのでしょうか。依頼する会社は? 予算は? 工期は? いざリフォームするとなると、疑問や判断しなければならないことがたくさん出てくるものです。
今回は、飲食店の設計や改装を多く手掛ける一級建築士の大東俊也さんに教えていただいた、リフォームを成功させるために持つべき観点を前編と後編の2回に分けてご紹介します。
設計事務所の社長でありながら、飲食店の経営者でもある大東さんのアドバイスには、売上拡大につながるヒントが隠されています。

取材にご協力いただきました
大東 俊也(おおひがし としや)さん

株式会社創都設計 代表取締役社長
一級建築士。インテリアプランナー。インテリアコーディネーター。建築及び内装の設計・施工監理及びコンサルティング業務を行う設計事務所代表。
企業理念は「すべての人が、愛情を持ってつながる場を創造する」
野菜ソムリエの資格も有し、飲食店経営も行う。
店舗の設計やリフォームに関する相談はこちらから。
https://sout.co.jp/contact/

リフォームを成功させるために持つべき5つの観点

1. 見積もりの安さに惑わされてはいけない

見積もり価格の安さだけを優先して、依頼する会社を安易に選ぶのは危険です。
「例えば壁紙を張替える際、剥がしたときに下地にびっしりとカビが生えていたら、空調設備を見直す必要が出てきます。また、天井を剥がした際に梁が曲がっていたら、柱を足すなどの補強をした方がよいでしょう。計画不足のため追加工事が発生すると、結果的に見積もりより大幅に高くなってしまうこともあります」と大東さんは言います。

そういった、外からは分からない様々な問題点が見つかったときに放置せず、きちんと説明して対応できる会社かどうかを見極めなければいけません。そのためには、見積もり価格に惑わされず、安全性や耐久性に関して計画や調査をしっかりしてくれるかどうかを事前に必ず確認しましょう。

また、一般的にクロスの張替えなど小規模な内装工事に法的な審査や資格はいりません。しかし、お店が古い木造建築の場合は、耐震補強など構造に関わってくるので正しい専門知識を持つ一級建築士などの有資格者が在籍している会社に依頼した方が安心です。

写真提供:株式会社創都設計
写真提供:株式会社創都設計

2. 「空調や換気設備」など、見えない部分は見落としがち

ここ最近、大東さんの設計事務所には空調や換気設備に関する相談が増えていると言います。最初の施工時が無計画であったため、調理で室温が高くなりがちな厨房に専用の空調が設置されていなかったり、費用を抑えることを優先したために相応の設備を備えていないことで室温にムラが生じるなど、後になって不具合が出てくるケースがあるそうです。
席によってエアコンの風が強く当たったり、寒すぎたり暑すぎたりする空間はお客様にとって居心地が悪いもの。お店の快適さは滞在時間やリピートに影響します。

どうしても内装のデザインなど意匠のほうに目がいきがちで、比較的費用のかかってしまう空調や換気などの設備工事に関しては視点が抜けがちになりますが、目に見えないところの投資を後回しにする、という考え方は非常に危険です。設備に関しては、見積もりや図面だけでは適切な判断が難しいため、事前の確認は綿密に行いましょう。

前編では、リフォーム業者を選ぶ際のポイントと、見落としがちな空調などの設備工事の重要性をお伝えしました。後編では残り3点、視覚的なイメージがお店の印象を左右する内装工事に関しておさえるべきポイントをお伝えしていきます。

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高山 しのぶ(たかやま しのぶ)
この記事は私が書きました
高山 しのぶ(たかやま しのぶ)さん

美術大学卒。デザイン職を経て、輸入玩具を扱う専門商社と教育系出版社で幼児向けサービス・商品開発やマーケティング業務に従事。現在は、デザイン・サービス開発を通して培った“聞き取り力”を武器に、業界を問わず幅広いテーマでライター・エディターとして活動中。

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