一級建築士が教える、
飲食店リフォームにおける5つのポイント【後編】

前編では、リフォーム業者を選ぶポイントと見落としがちになる空調などの設備工事の重要性をお伝えしました。後編では、視覚的なイメージがお店の印象を左右する内装工事に関して、おさえるべきポイントを3点お伝えしていきます。前編に続き、飲食店の設計や改装を多く手掛ける一級建築士の大東さんにお話をうかがいました。自ら設計した飲食店の経営もする大東さんのアドバイスは必読です!

取材にご協力いただきました
大東 俊也(おおひがし としや)さん

株式会社創都設計 代表取締役社長
一級建築士。インテリアプランナー。インテリアコーディネーター。建築及び内装の設計・施工監理及びコンサルティング業務を行う設計事務所代表。
企業理念は「すべての人が、愛情を持ってつながる場を創造する」
野菜ソムリエの資格も有し、飲食店経営も行う。
店舗の設計やリフォームに関する相談はこちらから。
https://sout.co.jp/contact/

リフォームを成功させるために持つべき5つの観点

3. 内装デザインの方向性は「客単価」がカギ

お店の内装が「客単価」に影響することはご存知ですか? 大東さんは最初の打合せで必ず「リフォーム後の単価設定」を確認します。それは、客単価を設定することでターゲットが明確になり、内装の雰囲気も自然と見えてくるからだそうです。
例えば、客単価が高い店ほどカウンターの一人ひとりのスペースを広く取ります。居心地がよければ滞在時間が延び、客単価が上がる傾向にあるからです。席数を減らすことについ躊躇してしまいがちですが、減らすことで売上が伸びるパターンもあるのです。
ターゲットに見合った「居心地のよさ」を提供できる空間かどうか、そこの目線合わせをしっかりすることが大切です。

写真提供:株式会社創都設計
写真提供:株式会社創都設計

4. 照明は、現場合わせができるように計画する

内装デザインとセットで考えた方がよいのが「照明」です。光源の種類や加減によって、空間のイメージをがらりと変えて非日常を演出することもできる、費用対効果が高い箇所でもあります。
「現場合わせができるように、調光機能をつけて角度の調整ができるものをおすすめしています」と大東さんは言います。
実際にお店が稼働したとき、予想とは違ったということはよくあります。お客様が居心地がよいと思う明るさ、料理がおいしく見えるような位置や角度など、営業してから調整ができるように計画することをおすすめします。

5. 必要なのは、お客様・従業員・経営者の「多角的な視点」

レイアウトに関して、経営者は「とにかく客席数を増やしたい」といったように、経営効率を優先してしまうことも多いでしょう。
しかし、シェフからするとカウンターの厨房の位置や棚の高さ、フロアスタッフからすると厨房との連携のしやすさなど、動線を中心とした作業効率を重視します。従業員の使い勝手がよい職場になれば従業員の士気を高められ、安定した味を提供することに繋がります。それは結果的にお客様の満足度を向上させます。
経営者、従業員、それぞれの立場に立った「多角的な視点」を持ち合わせることが重要です。

前後編にわたって、リフォームを成功させるために持つべき観点をお伝えしました。
リフォームをしたいと思ったら、どんなお店にしたいのかビジョンを明確にした上で、上記にあげたようなポイントに対応してくれる依頼先とリフォーム計画を立てていきましょう。

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高山 しのぶ(たかやま しのぶ)
この記事は私が書きました
高山 しのぶ(たかやま しのぶ)さん

美術大学卒。デザイン職を経て、輸入玩具を扱う専門商社と教育系出版社で幼児向けサービス・商品開発やマーケティング業務に従事。現在は、デザイン・サービス開発を通して培った“聞き取り力”を武器に、業界を問わず幅広いテーマでライター・エディターとして活動中。

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