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自己負担を抑え、効果を最大限に! 客室の水まわりリフォーム事例
【宿泊施設バリアフリー化促進事業費補助金の活用④】

前回の記事では、観光庁が支援する「宿泊施設バリアフリー化促進事業費補助金」の対象である「客室」「共用部」のバリアフリー化リフォームを行う際、気をつけたいポイントをお伝えしました。
今回は、実際に補助金を活用して「客室」の水まわりリフォームに取り組んだ温泉旅館の事例をご紹介します。
長野県の野沢温泉村にある老舗旅館『旅館 さかや』(以下「さかや」)の18代目、森社長にリフォームを決めたきっかけ、補助金申請の過程やリフォーム後の効果についてお話を伺いました。

取材にご協力いただきました
森 晃(もり あきら)さん

合資会社酒屋旅館社長。長野県の野沢温泉村にある、良質な自家源泉を持つ『旅館 さかや』の18代目。同じく、野沢温泉にある『湯宿 寿命延』も経営する。

古くから「美肌の湯」として親しまれてきた長野県の野沢温泉村にある、明治2年に造り酒屋から転業した老舗旅館「さかや」。顧客層は50代~60代の夫婦と小グループが中心。

ユニットバスを分離リフォームして、水まわりの不便さを解消

「さかや」の客室は全部で29室あり、そのうち2室の水まわりはお風呂・トイレ・洗面台が一体になった3点ユニットバスでした。2018年11月にそのうちの1室をシャワーブースとトイレに分離し、入口の段差を解消するリフォームを行いました。
体の不自由な方やシニア世代にとっては、浴槽をまたいでシャワーを利用することが困難であることも多く、トイレを利用するにも狭く感じるため、その不便さに対してお客様から不満の声があがることもあったそうです。
お客様へ快適な水まわりを提供したいと考えていた森さんは「宿泊施設バリアフリー化促進事業費補助金」が活用できることを知り、リフォームを即決しました。

上限100万円(定額補助)の「客室の改修」が対象の補助金を活用。トイレとシャワーブースに間仕切り扉を設置。客室の間取りを変えることなく、コンパクトながら機能的な水まわりになった。
(施工:住友林業ホームテック株式会社)
上限100万円(定額補助)の「客室の改修」が対象の補助金を活用。トイレとシャワーブースに間仕切り扉を設置。客室の間取りを変えることなく、コンパクトながら機能的な水まわりになった。
(施工:住友林業ホームテック株式会社)

費用対効果の高いリフォームを実現する、精度の高い見積もり

明治時代から代々受け継いだ「さかや」を含めて2つの旅館を経営している森さんは、これまでにも様々な補助金を活用しリフォーム工事を行ってきました。
補助金を活用するとなると見積もり金額に対してつい判断が甘くなってしまいますが、経験からリフォームの規模によってかかる工事費用の大体の見当がついていることもあり、「工事内容と効果、金額が見合っているのか費用対効果をしっかり精査するように気をつけています」と森さんは言います。
適切な判断を行うためには、施工業者から精度の高い見積もりを出してもらう必要があります。そのためには、リフォームの目的やそれによって叶えたいこと等を施工業者としっかりコミュニケーションを取って、目線合わせをしておくことが大切です。
精度の高い見積もりを出してもらうことで補助金が認定される確率も上がり、費用対効果の高いリフォームを実現できます。

補助金を上手に活用しながら、長期リフォーム計画を

施設は宿経営における最重要資産であり、改築や改修は避けられないからこそ、どの宿泊施設にとっても顧客満足度を高めるために定期的なリフォームは欠かせません。しかし、都度お客様のニーズに対応することは効率的ではないでしょう。「さかや」も将来的に大規模な改修を検討しているため、今後のリフォーム計画に影響しないよう範囲や予算を限定して行いました。
今回のリフォームでは、水まわりに関するお客様の不満を減らすことができただけでなく、宿の営業を止めずに工事を行い、補助金を活用することで費用対効果の高いバリアフリー化リフォームを実現しています。
「今後も長期的なリフォーム計画を考慮しながら、使える補助金は上手に活用していきたい」と森さんは語ってくれました。

次回は、同じく補助金を活用し「共用部」のバリアフリー化に取り組んだ事例をご紹介します。

※本記事は、2018年度の「宿泊施設バリアフリー化促進事業費補助金」の活用情報をもとに取材を行っています。

補助金の申請からバリアフリーリフォームの相談ができる
住友林業ホームテック株式会社
https://www.sumirin-ht.co.jp/
1988年設立。住友林業のリフォーム事業を担うグループ会社。住宅事業で永年培った総合力で宿泊施設の内装リノベーションをプロデュース。全国を70の拠点でカバーしている。

ご相談はこちらから
メール:ht_shoken@sfc.co.jp
電話:03-5217-6513(担当/佐藤 健太郎)

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高山 しのぶ(たかやま しのぶ)
この記事は私が書きました
高山 しのぶ(たかやま しのぶ)さん

美術大学卒。デザイン職を経て、輸入玩具を扱う専門商社と教育系出版社で幼児向けサービス・商品開発やマーケティング業務に従事。現在は、デザイン・サービス開発を通して培った“聞き取り力”を武器に、業界を問わず幅広いテーマでライター・エディターとして活動中。

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