成功事例から学ぶ、今すぐ取り組みたい集客施策5選
【『じゃらん』営業担当に聞く宿泊施設のインバウンド対策・前編】

今、インバウンドに人気が高まってきている観光地のひとつが山梨県にある「河口湖」です。2018年の訪日中国人によるWEB検索ワードは、「富士山」よりも「河口湖」が多く、観光地検索では3位にランクインしたという結果*があります。
その理由を、多くの宿泊施設をサポートする『じゃらん』の営業担当に取材したところ、外国人旅行者が河口湖に足を運ぶ理由のひとつが、エリア内の宿泊施設による「満足度の高いおもてなし」にあるということが見えてきました。
河口湖エリアの宿の成功事例を元に、インバウンドの満足度を高め、集客を拡大させる「おもてなし」とは何か。前編と後編の2回に分けてお伝えしていきます。

取材にご協力いただきました
じゃらん

「地域を共に創る」「需要を創る」「需要に応える」という基本方針に沿って、旅行サイト『じゃらんnet』、旅行情報誌『じゃらん』だけでなく、観光に関する調査・研究、地域振興機関「じゃらんリサーチセンター」を通した需要喚起施策や地域との協業を行い、業務支援サービスを提案している。

「富士山」の魅力を超える、おもてなし事例

文化や言語が違う外国人旅行者に対して充分なおもてなしをするためには、ニーズを把握し、事前の受け入れ準備がしっかりできていることがポイントです。どの宿泊施設でも、比較的取り組みやすい事例を中心にご紹介します。

1. ファーストインパクトを大切にしたお出迎え
見知らぬ土地に来た緊張感や疲れを少しでも和らげるために、お出迎えの際は必ず笑顔で接するようにしている施設が多い印象です。小さなことと思われるかもしれませんが、最初の出合いが宿の印象を決定づけることを、スタッフ全員共通の認識として持っておくようにしましょう。

2. 多言語化対応
旅館はホテルに比べて食事や入浴、布団敷きなどの案内を必要とする場面が多くあります。外国語を苦手とするスタッフが多い宿は、それらをカバーする多言語対応したツールを用意しておくと安心です。
(一例)
・よくある質問や想定される会話をまとめた、従業員のための会話マニュアル
・入浴方法や食事の時間など、施設情報の案内書や案内板、ピクトグラム
・あらゆる場面でスムーズに会話するための音声翻訳機

3. ベッドルームを設置
プライベート空間を大切にする傾向が強い外国人の方には、不在時に入室をして布団を敷く、といった旅館文化を受け入れてもらえない場合もあります。また、布団の上げ下げがなくなることで、スタッフの負担削減にもなったそうです。

4. 食事対応
アレルギーや宗教などの食事制限になるべく対応できるように、ベジタリアンメニューなどあらかじめ基本パターンを決めておき、当日のオーダーにも応えられるようにしている宿もあるそうです。
ただ、全ての要望に個別対応することは難しいため、対応範囲を事前に明確に提示することでトラブルを回避しましょう。

5. 周辺の観光案内
来日してから現地で情報収集をする外国人旅行者が多いため、フロントで周辺施設や地域観光の外国語パンフレットとマップの準備をしておくと喜ばれます。

インバウンド集客を維持するためには?

河口湖はインバウンド需要の増加に伴い、特急電車の本数が増えるなど都内からの利便性が向上しています。『じゃらん』営業担当によると、利便性が良くなることで「日帰りが可能」になる、といった危機感を持っている宿泊施設もあるそうです。宿泊客を途切れさせないためには「宿にゆっくり滞在したい」「この宿は泊まる価値がある」と思わせる動機付けが必要です。
インバウンド需要はまだまだ続くことが予想されますが、この先、外国人旅行者のニーズの変化と多様化に対応していくことが宿への集客を確保していくポイントになりそうです。

後編では、インバウンドの集客が最大化すると言われている2020年以降のために今から取り組んでおきたい「外国人旅行者の満足度を上げて、新規客とリピーターを継続的に取り込む方法」をお伝えします。

*バイドゥ株式会社「訪日中国人検索ランキング」より


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高山 しのぶ(たかやま しのぶ)
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高山 しのぶ(たかやま しのぶ)さん

美術大学卒。デザイン職を経て、輸入玩具を扱う専門商社と教育系出版社で幼児向けサービス・商品開発やマーケティング業務に従事。現在は、デザイン・サービス開発を通して培った“聞き取り力”を武器に、業界を問わず幅広いテーマでライター・エディターとして活動中。

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