悪質業者に注意! 助成金代行業者の見分け方
【社労士が教える、美容サロンの賢い助成金活用】

助成金をうまく活用したいと思う一方、「申請方法がわからない」「手続きにかける労力と時間がない」といった悩みをお持ちの美容サロン経営者の方も多いのではないでしょうか。そのような悩みに付け込んで助成金詐欺を働く、悪質な代行業者というのは残念ながら存在します。
そこで今回は、多くの美容サロンの助成金申請をサポートしている社会保険労務士(以下、社労士)の永野 綾さんに、悪質な助成金代行業者に騙されないために知っておきたいことと、代行先を選ぶ際のポイントについて教えてもらいました。

「絶対もらえます」「全部やります」は要注意

永野さんいわく「これらのようなセリフで助成金の申請を促してくる代行業者は、手数料や報酬を目的にしている可能性がある」とのこと。
助成金の申請は準備に数カ月かかるものもあり、容易ではありません。受給要件を満たしているかどうかの確認もせずに「絶対もらえる」と安易に勧めてくる業者には注意しましょう。着手金を払った途端に連絡がとれなくなった事例もあるそうです。
また、「全部やります」を鵜呑みにし、代行業者が勝手に進めてくれると思うのは危険です。申請に必要な「賃金台帳」「出勤簿(タイムカード等)」「雇用契約書」は、美容サロン側が準備すべき資料ですので、代行業者が作成することはあり得ません。要件を満たすために、代行業者が勝手に手書きのタイムカードをPCで書き換えたり、実態と異なる書類を作成して捺印を要求したりすることもあるそうですが、これは違法行為にあたります。

知らない間に不正受給しているケースも

「例えば、代行業者が申請書類を作成したにもかかわらず、本来あるべき社労士の名称等の記載がなく、事業主の名前で提出しようとする場合は要注意です」と永野さんは言います。詐欺の痕跡を残さないように代行業者の名前を一切残さず、あたかも事業主自ら書類を作成したように見せかける悪質な業者もいるそうです。厚生労働省が交付する助成金の申請書類の作成や提出の代行を、報酬を得て行えるのは社労士だけです。
申請後、問合せが事業主に来たことで、知らない間に不正に巻き込まれていたことが発覚するケースも多いと言います。実際に受給をしていなくても、偽装された書類で申請するだけで不正受給となり、3年間助成金申請ができなくなるだけでなく、事業所名の公表や最悪刑事告発される場合もあります。社会的な信頼を失くすことは会社にとっては大きな損失となり、「知らなかった」では済まないのです。

社労士法に違反しない場合、社労士法違反となる場合
申請書類の作成と提出代行ができるのは社労士だけ。
ただし、業者に紹介されるなどして直接その社会保険労務士と契約を結ぶ場合であれば、法違反とはなりません。覚えておきましょう。

不正受給しないために、代行先は実績豊富な社労士に

「安心なのは、社労士事務所に直接依頼すること」と永野さんは言います。美容サロンの助成金申請の実績が豊富なところは業界の事情も理解してくれているので、相談内容もスムーズに把握してくれるそうです。信頼できる知人や同業者に紹介してもらえるとより安心です。助成金の受給要件や手続きについてしっかり説明してくれるかどうか、報酬金額が明確であるかどうかも選ぶ際のポイントです。

うっかり不正受給をしてしまったということにならないためにも、申請する場合は信頼できる社労士を探し、正しく手続きを行いましょう。

取材協力
永野 綾(ながの あや)さん

社会保険労務士法人リタ代表社会保険労務士。
労務トラブルの不安解消、人事労務管理のIT化、助成金の申請等の負担やコストを極力減らした形での実現を目指している。
連絡先:03-6436-7097

2019.7.25

経営ノウハウ