元銀行員が語る、「信用保証協会」
借入れの実態とメリット・デメリット

以前、「元銀行員が語る、保証人不要の融資を選ぶメリット」で保証についてお伝えしましたが、皆さんは「信用保証協会(以下、保証協会)」という団体を知っていますか? 中小企業経営者にとって、銀行借入れ時の味方となり得る存在ですが、一般的にはあまり知られていない存在のようです。今回は、中小企業の経営者の方なら接する可能性は高いものの、詳しく知らないであろう「保証協会」についてお伝えしていきます。

保証協会は、万が一の場合に返済してくれる

保証協会の仕組み
<保証協会の仕組み>
利用方法
<利用方法>

保証協会は、中小企業が金融機関から事業資金を調達する際に、金融機関に対し上記②の「保証承諾」によって資金調達をサポートしています。万が一、事業者からの返済が不可能になった場合は上記⑤の「代位弁済」、つまり保証協会が代わりに返済してくれるので、金融機関は無保証に比べて格段に融資しやすくなるのです。

保証協会を利用した借入れのメリット

銀行借入れの申込みをしたが断られてしまった、という経験のある経営者の方は少なくないでしょう。そのような際、各都道府県の保証協会が用意している様々な保証制度融資を利用して保証を得ることができれば、借入れのチャンスは大きく膨らみます。個人の保証や担保の差し入れが原則不要な点も、経営者にとって大きなメリットです。
中小企業融資の活性化は国家命題であり、それを支える保証協会という仕組みを上手に活用することは、一見正しい選択に思われます。

保証協会を利用した借入れのデメリット

しかし、実際に保証協会を使って借入れを申込むのは、決して簡単ではありません。

1. 追加で発生する煩雑な手続き、時間がかかる
保証協会を利用した借入れには、当然様々な書類提出や手続き、口頭での説明が発生します。これらは銀行借入れに必要な書類提出や口頭説明に加えて発生するものです。また銀行員同様、保証協会の担当者も業界の専門家ではないため、自社の事業や強み・リスクについて銀行に対する説明同様、様々な質疑応答に時間を割くことを覚悟する必要があるでしょう。

2. 保証料が発生し、追加コストの負担を強いられる
残念ながら保証協会も無償で保証してくれるわけではありません。銀行からの借入れ金利に保証料が上乗せする形で加算されます。保証協会の各種制度や各企業の信用度合いによって異なりますが、保証料はおおよそ銀行借入れ金利に1%程度上乗せされると想定しておけば、大きな誤差はないでしょう。

中小企業経営者にとって、借入れをサポートする様々なオプションを理解しておくことは重要ですが、多くの場合、煩雑な書類提出や口頭説明による時間と手間がかかるのも実態です。書類提出や事業説明が不要なリクルートの『パートナーズローン』なども含め、自身の事業状況やタイミングに最適な借入れ方法を賢く選択したいものですね。

同じキーワードを含む
記事を探す

森 暁郎(もり あきお)
この記事は私が書きました
森 暁郎(もり あきお)さん

慶應義塾大学経済学部卒業。コロンビア大学経営大学院修士課程修了(MBA)。メガバンクの赤坂支店で中小企業向け融資を担当。その後NY支店にて買収ファイナンス等に従事。MBA取得後はGE Japanにて大型の買収案件を手掛けた後、現在は社会人向けの経営大学院にてカネ系科目の教員を務めながら、複数の中小企業の経営に参画。

キーワードから探す

トップに戻る