高級車でも認められる?
経営者なら押さえておくべき交際費・福利厚生費の考え方

店舗経営者の皆さんは、会計処理の際に「どこまで経費になるのだろう…」と迷ったことはないでしょうか? 特に、交際費・福利厚生費などは原価や販促費などに比べて曖昧な部分が多いのが現実です。今回は店舗のコンサルティングを手掛ける税理士の伊原裕伸さんに、交際費・福利厚生費の考え方と事例について伺いました。

取材にご協力いただきました
伊原裕伸(いはら ゆしん)さん

税理士。甲南会計事務所業務部長。「税理士=経営者にとっての専門家の友人」というスタンスで、美容室のほかクリニック・介護福祉業・一般企業等様々な企業への支援を行う。税理士でありながらミュージシャンとしても活動しているため、「お金管理」と「クリエイティブ」という両極端な思考を両立させるコンサルティングが得意。

交際費・福利厚生費の考え方

まず、交際費・福利厚生費の定義と注意点をおさらいしておきましょう。

交際費、福利厚生費の定義と注意点

特に注意したいのが福利厚生費です。「従業員のためなら何に使ってもOK」と誤解している人が多いですが、実際は「どの従業員も平等に受取ることができ」「従業員全員がそれを認知している」状態が必要です。そのためには福利厚生規定などを用意しておくのがよいでしょう。

正当な理由があれば超高級車でも認められる

経費として認められるには「経営上必要であるというストーリー」が必要です。その事例として伊原さんが挙げるのは、居酒屋の経営者が超高級車を購入した費用が交際費として認められたケースです。そのお店は低い客単価ながら高利益を実現しており、経営者はその戦略や今後の事業展開のヒントを得るためにハイレベルな経営者仲間との付き合いによく参加していました。その際に自分だけが一般クラスの車で参加するのでは付き合い上の立ち位置に影響しかねない旨を税務調査で説明した結果、交際費として認められたのです。この場合、本当にその用途で車を使用していたことをメーター記録などで証明したことも大きかったようです。
高級車だけでなく、趣味と見なされかねないゴルフやサウナなども、取引先との付き合い上どうしても必要だということが証明できれば認められる場合があります。そのためには日頃からきちんと記録を残しておくようにしましょう。

交際費支出の際に記録しておきたい項目

社員旅行は「社会通念上妥当」な範囲で

福利厚生費は基本的には従業員のための費用ですが、「社会通念上妥当な範囲」を超える場合は認められないことがあります。たとえば社員旅行の場合、国税庁では「社員の半数以上が参加し、4泊5日以内で、1人あたり10万円まで」という基準を定めています。しかし、その基準内だからと言って、東京の中小企業の社員旅行で1人1泊8万円もする箱根の高級旅館に泊まるというのは非常に微妙なケースです。というのは、基準以前に「社会通念上妥当かどうか」というのが判断基準として優先されるからです。
ただし、宿泊業や飲食・美容等のサービス業の社員旅行で、社員の慰労のほかに「高級旅館でのおもてなしを体験して今後の業務に活かす」などの目的があれば、規定の範囲内ということで認められる可能性もありそうです。ちなみに社員旅行に家族を同伴する場合、家族分の旅費は福利厚生費として認められないので注意しましょう。

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Yuna Park(ユナ・パク)
この記事は私が書きました
Yuna Park(ユナ・パク)さん

教材・結婚情報誌の編集・企画業務を経て、サンフランシスコのUXデザインコンサルティング会社で社内外のコンテンツマーケティングの統括責任者を務めた経歴を持つ。現在は独立しライター・マーケティングコンサルタントとして活動中。

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