貴方の会社も「格付け」されている
~銀行は教えてくれない、融資の裏側~

芸能人が格付けされるテレビ番組を、ご覧になったことはありますか? 借入れを行う場合、皆さんの会社(事業)も企業規模等に関係なく、取引先の銀行の中で「格付け」をされることになります。格付けとは、貸出先の元利金の支払い能力を表す指標であり、大抵の場合10段階程度のカテゴリーに分けられ、銀行は格付けによって各企業への貸出金利を決めています。今回は、お金を貸して金利を得ることで商売をしている銀行にとって事業活動の「肝」となる格付けプロセスへの対応策をご紹介します。

格付けは定量と定性で決まる

決算書=財務三表(「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」)をベースにした定量分析と定性分析で格付けは決まります。

1. 定量分析
●収益性:儲かっているか? かつ、一時的事由でなく本業で利益を出しているか?
●効率性:より少ない資産(設備、不動産等)から売上・利益を捻出できているか?
●安全性:借入れ過多で、元利払いがぎりぎりの状態に陥っていないか?
この3つを主な判断軸に、各企業から提出される決算書に対し様々な角度から分析し、スコアリングをしていきます。

2. 定性分析
定量分析に加え、「経営者の資質」「戦略の妥当性」など、決算書だけでは測れない要素をホームページの開示情報や経営者との日頃のやり取り等から評価して、最終格付けを決定します。

格付け時期の6〜7月は、問合せ対応を最優先に

日本企業の多くが3月決算であるため、取引先からの決算書が揃う6〜7月頃、銀行員はこの格付け作業に忙殺されることになります。従って、この時期はできれば格付けに対する銀行からの問合せ対応を優先し、追加の資金調達の相談等は避けた方がいいでしょう。

高い格付けを得るための3つの心得

1. 財務三表への意識
格付けはあくまでも財務三表をベースに付与されます。日頃接している資金繰り表ではなく、自社の事業活動が財務三表にどう表れるかの基本的理解は経営者として必須です。

2. 迅速かつ丁寧な情報開示
格付けがある水準を下回ってしまうと、銀行は当該企業につき貸倒引当金と呼ばれるお金を計上しなければならず、銀行自身の決算が痛みます。そのため、銀行側も格付けを極めて慎重に行っていますので、銀行から確認や問合せが来たら、迅速で丁寧な情報提供を心掛けると良いでしょう。

3. 一発勝負の意識
格付けは年一回付与され、悪いニュースがあれば即格下げを検討されますが、期中に格上げされることはほぼありません。決算資料と銀行ヒアリングの中で、できるだけ自社の強みを伝えきる意識が大事です。

同じキーワードを含む
記事を探す

森 暁郎(もり あきお)
この記事は私が書きました
森 暁郎(もり あきお)さん

慶應義塾大学経済学部卒業。コロンビア大学経営大学院修士課程修了(MBA)。メガバンクの赤坂支店で中小企業向け融資を担当。その後NY支店にて買収ファイナンス等に従事。MBA取得後はGE Japanにて大型の買収案件を手掛けた後、現在は社会人向けの経営大学院にてカネ系科目の教員を務めながら、複数の中小企業の経営に参画。

キーワードから探す

トップに戻る