経営者必見!
飲食店経営で気を付けたいポイントとは?

飲食店を経営すると、様々な問題やトラブルに直面します。今からできる対策や、始める前に知っておいた方が良いことを把握しておきましょう。法律にまつわることだけでなく飲食店ならではの注意事項も含めてポイントごとに押さえ、トラブル防止に役立ててください。

開業前にチェックしておきたい7つのポイント

飲食店開業前にチェックしておきたい7つのポイント

1. 飲食店の食品営業許可が出ているか
飲食店の食品営業許可は開業前に店の所在地を管轄する保健所への申請が必要です。営業許可が下りていないと飲食店を開業することができません。許可を得るためには、「食品衛生責任者の資格を持った人を店に1人以上置くこと」「都道府県ごとに定められた基準に合致した施設で営業すること」が必須になります。

2. 火災保険や損害保険に加入しているか
飲食店を経営していると、様々なリスクを負います。被害として大きいものの1つが火災です。その他にも、以下のようなリスクが挙げられます。

・爆発、落雷などの天災
・水漏れ
・機械の破損事故
・食中毒
・お客様にケガをさせてしまった場合の賠償責任保険
・休業補償

開業後に慌てて保険に入るのではなく、あらかじめどの保険が一番適しているか調べ、加入しておきましょう。

3. 従業員教育ができているか
開業にあたって、従業員には最低限の接客マナーを教育するでしょう。細かいルールやメニューの暗記など最初は戸惑うこともありますが、それはある程度お客様も理解してくれる場合が多いです。大切なのは、「お客様が気持ちよく感じる接客ができるかどうか」です。ミスをしても素直に謝り、一生懸命に接客できる従業員の存在が飲食店経営では重要です。

4. オープンの事前告知ができているか
開業時にきちんと告知ができていないと、スタートから集客に失敗する可能性があります。後悔しないように、予算の範囲でしっかり告知の場を設けておきましょう。

5. 料理の値段・表示は適正か
料理の値段を開業後に変更するのは望ましくありません。お客様は料理の値段に敏感です。相場や原価率について調査し、頻繁に値段が変わらないように最初から適正な価格に設定しておくべきです。

6. 運転資金は十分か
開業後に資金が不足し銀行から借入れをすることにならないよう、運転資金はあらかじめ余分にとっておきましょう。銀行融資は審査に1カ月程度の時間を要するため、急な資金ニーズへの対応は難しくなります。最低固定費の3カ月分以上の運転資金を用意しておくべきです。
また、ビジネスローンの融資枠を持っておくこともおすすめです。「パートナーズローン」のような最短即日融資が可能な商品であれば、枠だけ事前に持っておくことで急な資金ニーズにも対応することができます。

7. 利用できる補助金制度があるか
国や県、市町村が用意している補助金や助成金についてもあらかじめ調べておきましょう。補助金や助成金は開業前に申請しないと受取れないものも多いです。一例としては「地域創造的起業補助金」が挙げられます。自身での申請が難しい場合は、行政書士や社労士に依頼する方法もあります。

開業後にチェックしたい2つのポイント

飲食店開業後にチェックしたい2つのポイント

1. 開業後に必要な書類を役所へ提出しているか
飲食店の開業後に、税務署や都道府県の税事務所に提出が必要な書類があります。具体的には下記の通りです。

【税務署への提出が必要な書類】
・個人事業の開業・廃業等届出書(開業後1カ月以内に提出)
・給与支払事務所等の開設届出書(従業員を雇う場合に必要。開業後1カ月以内に提出)
・青色申告承認申請書(提出は任意だが、承認されることで65万円の控除が受けられる。開業後2カ月以内に提出。その年の1月15日までに開業した場合は、その年の3月15日まで。提出期限を過ぎると翌事業年度まで申請できないため注意が必要)

【都道府県の税事務所への提出が必要な書類】
・事業開始等申告書(都道府県によって名称が異なる。開業後1カ月以内に提出)

紹介した書類について、書き方に不安がある場合は最寄りの税務署や役所に直接相談してください。また、顧問税理士がいる場合は書き方について相談するか、記入を任せるか検討しても良いでしょう。

2. 事業計画通りに進んでいるか
開業前に作成した事業計画について、計画通りに進んでいるかどうかを随時チェックしましょう。チェックに当たっては簡易的なものでも構わないので、損益計算書を月次で作成しておきましょう。もし自分で作成できない場合は、税理士に作成を依頼してください。

多店舗経営をする際に注意すべきこと(2店舗経営の場合)

2店舗経営の場合はまだ事業のコントロールはしやすいですが、それでも1店舗を重点的に見ていると、もう1店舗が疎かになる可能性があります。2店舗経営における主な注意点は以下の3点です。

1. 2店舗目への展開は、1店舗目が軌道に乗ってから
1店舗目で失敗していると、2店舗目も失敗する傾向があります。まずは1店舗目を軌道に乗せることに全力を注ぎましょう。

2. 売上倍増に伴う消費税対策
消費税は1,000万円以上の売上から納税義務が発生します。2店舗目を展開することで売上合計額が1,000万円以上になる可能性が高まり、その場合には消費税を納めなければいけなくなります。納税準備資金を用意するなど、事業計画作成に当たって税金のことも把握しておきましょう。

3. 同業種の場合は、既存店舗との距離に注意
同業種の飲食店を展開するのであれば、「カニバリゼーション(カニバリ)」を防ぐために既存店舗との距離を離すべきです。カニバリゼーションとは、自社の既存店舗と新店舗が顧客や売上を奪いあう(=共食いする)状況を意味する言葉です。しかしあまりに離れすぎてしまうと、経営者として店舗の状況を視察するのが大変です。車で1時間以内の距離が良いでしょう。
また、1店舗目が居酒屋、2店舗目が喫茶店など、同じ飲食店でも客層や営業時間が異なると、距離が近い方が良い場合もあります。お客様も新規店舗に足を運びやすくなります。

多店舗経営をする際に注意すべきこと(3店舗以上経営の場合)

2店舗を超える多店舗経営の場合は、以下の2点に注意しましょう。

1. 人材確保対策
店舗数が多くなるほど、人材の確保は難しくなります。2店舗までなら1店舗目の従業員でカバーすることが可能かもしれませんが、多店舗となるとそう簡単にはいきません。人があっての飲食店です。もし人手が足らない場合は、開店できないという事態も発生しかねません。店内に従業員募集のチラシを貼る、職安へ頻繁に足を運ぶなど、人材確保がスムーズに行えるよう常に対策しておきましょう。
また、せっかく雇った従業員がすぐに辞めてしまわないように、料理のマニュアルを用意するなど従業員の負担をできる限り軽減できるような効率化への取り組みも大切です。

2. 運転資金
資金ニーズは店舗の数が増えるほど増していき、コントロールも難しくなります。店舗数が多くなっても対応できるように、自己資金あるいは借入れによる運転資金を十分に用意しておきましょう。

意外と知らない! 身近な法律やルールを理解しよう

飲食店を経営する上で、知っておくべき法律やルールをご紹介します。「知らなかった」では済まされないので、必ず理解しておきましょう。飲食店を経営する上で関係してくる法律は以下の通りです。

・食品衛生法
・食品リサイクル法
・著作権
・景品表示法
・労働基準法
・労災保険法
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)
・パートタイム労働法

特に注意すべきは、「景品表示法」と「労災保険法」です。違法例をご紹介しましょう。

【景品表示法の違法例】
牛の成形肉を焼いた料理をステーキと表示することは違法です。一般的にステーキとは、肉の切り身を焼いた料理です。成形肉とは別ですから、もし成形肉を使う場合は、同一視野内に「成形肉使用」と記載することが必要です。

【労災保険法の違法例】
小規模の飲食店でも、1人でも人を雇った場合は労災保険に加入しなければなりません。アルバイトやパートでも加入が必要です。管轄の労働基準監督署で加入の手続きをとりましょう。

法律は毎年改正されるため、飲食店の経営に関わる法改正があった際は都度確認する習慣をつけましょう。日々の業務に追われて法改正を確認する時間を作るのが難しいならば、飲食店の組合や商工会に入って最新の情報を手に入れましょう。

飲食店の経営は対策すべきことや気を付けるべきポイントがたくさんあります。しかし、一つずつ着実に押さえておけば、決して難しいものではありません。最初から全てをクリアしようとは思わず、可能な範囲で少しずつ前へ進むようにしましょう。

同じキーワードを含む
記事を探す

山本勧(やまもと すすむ)
この記事は私が書きました
山本 勧(やまもと すすむ)さん

不動産会社に5年勤務後、会計事務所に勤める。現在は独立し、フリーライターとして活躍。主にに不動産関係やお金についての記事をメインで執筆。

キーワードから探す

トップに戻る