経営者なら知っておくべき、
資金繰り業務で気をつけたいポイントとは?

経営者にとって事業を継続的に運営していくためには、資金繰り業務が重要な位置づけを占めます。突発的な資金需要が発生し、資金がショートすることも少なくありません。今回は、資金繰り業務において気をつけたいポイントについて解説します。

資金繰り業務にはどのようなものがあるか

経営にあたっては資金が必要です。この資金の流れが滞ることは事業が滞ることを意味します。円滑な事業運営のためには、資金が重要な役割を果たすのです。資金繰りとは、必要な時に必要な資金が使える状態にするために、資金を適切に管理することを指します。それでは、資金繰り業務にはどのようなものがあるのでしょうか。

事業内容にもよりますが、事業を継続的に行うためには資金需要が発生します。製造業であれば、売上を計上して入金前に原材料費や人件費を負担しなければなりません。小売業であれば、お客様に販売する前に商品を仕入れる費用があります。資金繰りの目的には、運転資金を適切に管理することや金融機関への返済原資を得ることが上げられますが、突き詰めると「企業の業務全体を改善していく」ことになります。広い視野で資金繰り業務を遂行することが求められるのです。
間接部門だけではなく営業部門も資金繰りを意識することで、会社全体の資金繰りの改善につなげることができます。具体的には、顧客に対して発行した請求書に対して入金まで責任を持って管理することや、仕入れ先に対する支払い条件をできる限り長期間に設定することが挙げられます。

資金繰り業務で気を付けたい3つのポイント

それでは、資金繰り業務はどのように行うのが良いのでしょうか。以下、気をつけるべきポイントを紹介します。

  • 税理士に任せすぎない

まず認識すべきなのは、資金繰りは経営者自身がしっかりと意識しなければならないということです。資金繰り業務全般を税理士に任せようと考えたことはありませんか? 税理士がその会社の経営に関わっている場合は、資金繰りに対して全面的に応じてくれるかもしれません。しかしながら、経営者が実態を把握しないまま進行してしまうと、予期せぬトラブルや経営不振に陥る恐れがあります。経営者自身が資金繰りに関して積極的に介入していくことが重要なポイントです。

  • 社内体制を整える

資金繰りを実行に移すための体制が整備されていないと、他人任せになってしまい資金繰り業務はうまく進まなくなります。経営者の責任の下、資金繰りを実行に移す舞台を明確に定めてください。

  • マニュアルを作成する

資金繰りに限った話ではありませんが、マニュアルがないと業務を実行に移すのは困難になります。また、円滑な資金繰り業務が運営できていても、マニュアルがなければ引き継ぎができません。社内体制が整備されているのであれば、責任者の承認のもと、マニュアルも整備しておくようにしましょう。

資金繰り表作成業務のコツ

資金繰り表は、Excelひとつあれば作成することができます。インターネット上で検索すればテンプレートも見つかるため、積極的に活用してください。その上で、以下の点に注意すれば実現性の高い資金繰り表にできるでしょう。

  • 売上高は少なめに、経費は多めに記載

資金繰り表を作成する上では売上に伴う入金は少なめ、経費に伴う出金は多めに記載できると良いでしょう。余裕のある資金繰り表を作成していると、資金が枯渇したときに経営が厳しくなります。これを避けるために厳しく管理することをおすすめします。同時に、入金日については長く、支払日については短くしておくと安心です。

  • 営業に関する取引、投資に関する取引を分ける

資金繰り表の項目は営業に関する「経常収支」、投資に関する「設備収支」、金融取引に関する「財務収支」に分けるなど、カスタマイズして自社の実情に沿ったものにしてください。「経常収支」「設備収支」「財務収支」で分けておけば、本業の事業活動で必要となる資金や設備投資資金が明らかになり、金融機関などから、いつどれだけの資金調達が必要になるのかが明らかになるでしょう。

  • 長期間の管理はしない

資金繰り表の精度は、管理期間が長期になればなるほど落ちてしまいます。短期間で管理を行い、必要に応じて見直すようにしてください。そうすれば、常に精度の高い資金繰り表を作成することができます。

資金繰りは、税理士や従業員に任せることなく経営者自らが行う必要があります。大企業でも経営層が積極的に関与するべきでしょう。まずは経営戦略に基づき経営計画を策定すること。そうすれば、円滑な資金を得ることで、長期にわたり安定的な経営を実行に移すことができるでしょう。

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香川 大輔(かがわ だいすけ)
この記事は私が書きました
香川 大輔(かがわ だいすけ)さん

1974年大阪府生まれ。2015年4月中小企業診断士登録。製薬会社の医薬品分析やベンチャー企業での勤務を経て、ITベンダーで提案型のシステム営業として勤務、数多くのシステム提案実績を持つ。現在は企業内診断士として、地域に根差した経営支援や執筆活動、セミナー講師の他、アナリストとして企業レポートの分析や執筆も行っている。

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