店舗経営は「現金の置き場所」が成功の鍵を握る?!
【財務コンサルタントが教える、美容サロンのお金の管理術】

美容師やエステティシャンが技術を学ぶことはあっても、経営について学ぶ機会はなかなかないものです。
「現金商売である美容サロンを経営するにあたって一番大切なことは、キャッシュ(現金)を残すこと」。そう話すのは、多くの美容サロンの経営サポートを行う財務コンサルタントの岩崎伸一さんです。
その岩崎さんからのアドバイスを実践し、独立からわずか1年で2店舗目をオープンしたという美容室経営者の吉田充宏さん。そのおふたりに、キャッシュを残すための「現金売上の管理方法」について伺いました。

取材にご協力いただきました
岩崎伸一(いわさき しんいち)さん、吉田充宏(よしだ みつひろ)さん

左:岩崎伸一(いわさき しんいち)さん
ジェイブレーン株式会社代表取締役。会計事務所を経て財務コンサルタントとして独立後は美容サロン中心にサポートを行う。担当してきた美容サロンは23社、全社黒字経営。
連絡先:03-5603-0002 / info@op-jbrain.co.jp
 
右:吉田充宏(よしだ みつひろ)さん
株式会社Road Japan代表取締役。美容師を10年経験後、独立して現在池袋に「Road Hair Lounge池袋」と「Road Hair池袋東口店」の2店舗を経営。

毎日の現金売上ごとに銀行に預ける

キャッシュレス化が進んでいるとはいえ、吉田さんが経営する店舗では3分の2のお客様が現金支払いだそうです。
まとまった売上金が目の前にあると、つい“お金がある”と勘違いしてしまいます。キャッシュを多く残すには、お金の置き場所がポイントです」と言うコンサルタントの岩崎さんが勧めるのは、以下のステップで行う現金売上を管理する方法です。

現金売上管理の3ステップ

吉田さんはレジ締め作業の中にルーティン化して、店長をはじめとした一部のスタッフに任せています。全ての作業は必ず複数人で行うようにし、銀行への入金後に連絡をもらって帳簿と照らし合わせて確認しているそうです。
誰かが見ている状況を作ることで、トラブル回避につながります。ただし多少の金額ズレは起こるもの。お金のトラブルは“コスト”だと思うことも大切です」。
特に他店舗展開を視野に入れるなら、帰属意識を持たせるためにもスタッフに任せることが大切だとコンサルタントの岩崎さんは言います。

スタッフを抱えずに自分ひとりで経営している場合も同様です。大切なのは毎日きちんとやること。
「例えば少額だからといってレジの売上金から経費精算をしたり、個人の財布に入れてしまったりすると帳簿上合わなくなり、何に使ったのかお金の流れが分からなくなってしまいます。ずさんな管理ではキャッシュは残りません」。

岩崎さん

口座は1つで大丈夫。そこから支出があっても一度入金することが大切です。

吉田さん

「通帳に記帳した金額=現金売上」なので、日々の収支の把握も楽にできます。

お金に関する相談先を持つ

吉田さんは独立直後から上記の管理方法を実践しており、納税時期などのまとまった現金が必要な際にも「手元にキャッシュがない」といった状況に陥ったことはないそうです。
「独立後から他店舗展開を視野に入れているので、どこの銀行から借入れするのか、どこに積み立てしておくのが良いのかなど、会社の将来を見据えた上でのアドバイスをもらっています」と話す吉田さんは3店舗目の展開にも意欲的です。

「長く続く経営者は、手元に残すお金を多くするように努力します。現金管理を徹底することは美容サロン経営を成功させるための第一歩。経営に関しては“なんとなく”ではうまくいきません」とコンサルタントの岩崎さんは話してくれました。
技術者から経営者へ思考を切り替えて、お金に対する意識を高めるためにも専門科を活用し、アドバイスを受けることを検討してみてはいかがでしょうか。

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高山 しのぶ(たかやま しのぶ)
この記事は私が書きました
高山 しのぶ(たかやま しのぶ)さん

美術大学卒。デザイン職を経て、輸入玩具を扱う専門商社と教育系出版社で幼児向けサービス・商品開発やマーケティング業務に従事。現在は、デザイン・サービス開発を通して培った“聞き取り力”を武器に、業界を問わず幅広いテーマでライター・エディターとして活動中。

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