thumbnail

なぜ資金繰りは悪化する?
悪化の要因と改善策10選を伝授!

企業にとって資金繰り改善が必要な状態は、運転資金が不足して支払いが困難になるなど、スムーズな資金繰りができなくなっている場合です。さらに悪化すると事業の運営自体も継続できなくなる可能性もあり、早急な対策が必要です。今回は、資金繰り悪化の要因とともに改善につなげる方法について解説します。

資金繰りが悪化する4つの要因

会社の資金繰りを改善するには、まず何が原因かを突き止めることが大切です。資金繰り悪化に影響する要因はいくつかありますので、当てはまるものがないかチェックしましょう。

資金繰りが悪化する4つの要因
  • 急激な売上の増加・減少

多くの企業は掛取引により、売上が入るまで数カ月かかります。売上増加は一見良いことのように感じられますが、売上だけアップしてもキャッシュ(売掛金)が入らなければ資金繰りは厳しくなるでしょう。
さらに掛取引の場合、売掛金が入るまでの間に仕入れ代の支払いが必要です。売上増加によっていつも以上に仕入れコストが上がれば支払いも増加するので、資金繰りは悪化するでしょう。このように急激な売上増加は、売上が伸びているのに資金繰りが厳しい状態を招きやすく、黒字倒産のリスクも生まれます。
一方、当然のことながら、大口の取引先から急に受注がなくなるなど、売上が急激に減少しても資金繰りの悪化を招きます。売上が減るとその分利益も少なくなるからです。

  • 過剰在庫の増加

仕入れ代や原材料費、製造費、保管費など、仕入れをすれば何かしらのコストが発生します。在庫として残っているということは「支払いだけしてお金が出てしまっている状態」と言えます。ある程度の在庫は必要ですが、販売できず負債化しているような不良在庫が無いかを確認しましょう。

  • 取引先の倒産による貸し倒れ

売掛金が残っている取引先が倒産して貸し倒れとなれば、売掛金の回収ができなくなります。貸し倒れの額が大きければ大きいほど、資金繰りは悪化するでしょう。

  • 資金管理不足

例えば、毎月の売上や利益に対し、借入返済額の方が上回ってしまう場合、資金管理が徹底できていないと言えます。月々の返済額が売上や利益より多ければ、出ていくお金の方が多いため、資金繰りは悪化するでしょう。

資金繰りを改善するために見直したいこと10選

資金繰りが悪くなった状態をそのまま放置すれば、事業運営の継続にかかわります。原因を突き止めるとともに、改善に向け以下のような見直しを行いましょう。

資金繰りを改善するために見直したいこと10選

1. 売掛金の早期回収

売掛金を早期回収する方法はいくつかありますが、一つは取引先と交渉することです。信頼関係を築けていれば、回収を早めることに応じてもらえる可能性があります。ただし早期回収には、取引先と回収についての取り決めがしっかりできていることが前提となります。信頼関係があっても、交渉すれば必ず早期回収できるとは限りません。
もう一つは、手形割引やファクタリングの利用です。どちらも手数料がかかるため、売掛金の全額が手元に入るわけではありません。しかし、一刻も早く資金調達が必要な場合は、手っ取り早く現金化する方法として検討すると良いでしょう。ファクタリングの場合、方法によっては取引先に知られずに現金化することもできます。
また、取引先の未払いによって売掛金の回収が遅れている場合は、自社の回収担当者に「回収しなければならない」という意識を持たせることが大切です。売掛金が残っていると、取引先が倒産した場合、貸し倒れになるリスクがあります。支払いの期限が来た売掛金は確実に回収し、未払いがある分については定期的に取引先に確認するなどして確実な回収に努めましょう。

2. 不良在庫の削減

在庫削減によって資金繰り改善の糸口が見つかることもあります。データを集計し、売れている商品と売れていない商品とを区別し、長期的に売れ残っている在庫についてはセールで一掃する、年度末に損失計上するなどして処分しましょう。その上で新たに在庫として持つ商品については、今後も売上が見込める商品に限定することで不良在庫が出るのを防ぎやすくなるはずです。可能であれば、在庫を保有せず、受発注システムに切り替えるのも効果的と考えられます。

3. 支払期限の引き延ばし交渉

売掛金の回収は早い方が良いですが、仕入れ代金の支払期日はできるだけ引き延ばす方が資金繰りには有利です。仕入れ先との信頼関係や交渉次第にはなりますが、支払期日を延ばして回収期日までの日数が短くなれば、資金繰りの改善につながるでしょう。
支払期限を引き延ばす際は、返済方法についても交渉することをお勧めします。できれば手形を避けて現金払いにした方が、手形の不渡りを起こして倒産するというリスクをなくせるので安心です。

4. 借入金の返済方法の見直し

借入金がある場合は資金繰り改善のため、金利の引き下げや返済期間の延長ができないかを交渉しましょう。金利が下がる、もしくは返済期間を延長できれば、毎月の返済負担を減らせます。また可能であれば、今の借入先より低金利で借りられるように、借り換えを行うことも資金繰り改善に効果的です。

5. リースやレンタルの利用

設備投資を検討する場合は、リースやレンタルを利用することで資金繰りの改善に役立つこともあります。新たに購入するとなると、まとまった費用を用意し購入後は資産として減価償却する必要が出てきます。一方、リースであれば毎月決まった金額を支払うだけなのでコスト管理も楽ですし、費用は全額損金算入が可能です。

6. 不要な資産の売却

株式や不動産投資を行っている場合、思ったような収益が上がっていない資産については早急に処分を検討しましょう。売却金を借入額の返済に充てれば、完済までできなくても、損失を最小限にとどめることができるはずです。
また、今後投資をする場合は本当に必要な投資かどうか十分検討した上で、自己資金の範囲で行うことも大切です。

7. 入金管理の徹底

資金繰り改善のためには今一度、日ごろの入金管理を徹底することが大切です。現状いくらの売上があり、そのうち経費を差し引いて利益がどれだけ出ているかを把握し、いつまでにいくらの入金があるか、いつどれだけの支払いをしなければならないかチェックしましょう。
入金管理には資金繰り表を作成するのが効果的です。できれば1日1回確認し、管理するのが望ましいです。入金管理を徹底することで、問題に早く気づき改善策を講じることもできるはずです。

8. 人員配置の見直し

事業運営にかかるコストの中でも、人件費の占める割合は大きいものです。人員配置を見直し業務効率を改善できれば、資金繰りの改善にもつながるでしょう。ただし、人員配置の変更や整理には従業員から反発が出ることも多いです。会社の状況を説明し、コスト削減が必要であることを丁寧に説明することが必要になります。

9. アウトソーシングの活用

人員配置を見直す際、アウトソーシングを活用するのも一つの手段です。経理や人事など、業務によっては外注した方がコストを低く抑えられることもあります。外注費は課税対象なので、給与に比べて消費税の節税面でメリットも得られやすいです。製造や開発部門など、ノウハウが必要な部署の外注化は難しいかもしれませんが、可能な部分は外注化して資金繰り改善に役立てましょう。

10. 利益率の向上

資金繰り改善には、利益率を高めることも必要です。一つ一つの商品・サービス、あるいは部門ごと、エリアごとの利益率を割り出した上で、利益が出ていないものは改善するか撤退するなどの判断を行いましょう。

資金繰りの悪化は売上の変化や返済負担の増加、取引先の事情などが原因であることが多いです。放っておくと事業の継続にも影響を及ぼしかねないため、早急に何らかの対策を講じ、改善に努めましょう。
また、普段から資金繰り表をチェックし、少しの変化にも気づけるような体制を整えることも大切です。

同じキーワードを含む
記事を探す

山本勧(やまもと すすむ)
この記事は私が書きました
山本 勧(やまもと すすむ)さん

不動産会社に5年勤務後、会計事務所に勤める。現在は独立し、フリーライターとして活躍。主に不動産関係やお金についての記事をメインで執筆。

キーワードから探す

トップに戻る