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決算書不要のビジネスローンは借入れできる?

ビジネスローンを利用する際は、決算書の提出が条件となることが多いですが、事業を起こしたばかりで決算書がない、赤字続きで決算内容が良いと言えないなどといった場合もあります。
こうした場合でも利用できる決算書不要のビジネスローンはあるのでしょうか? 一般的に決算書が必要とされている理由と、決算書不要のビジネスローンを利用する際に知っておきたいポイントを解説します。

決算書不要のビジネスローンはあるのか?

決算書がなくても利用できるビジネスローンはありますが、現状では数は少なく、基本的には決算書の提出が必要です。
決算書を利用した審査の場合、人が確認することになるため、実際の融資までに時間がかかるという問題があります。そこで近年、ビジネスローンにおいても審査のIT化が図られるようになってきました。
実際に、メガバンクなどの大手ではAIを活用した決算書だけに頼らない包括的な審査が導入され始めています。個人事業主においては、個人の生活や性格をスコア化して融資につなげようという動きも見られるようになりました。
しかし、IT化によって決算書が完全に不要になるかは微妙なラインです。ITによる審査を導入しているケースでも、審査項目の一つとして決算書を必要とするものもあります。そのため、IT技術が導入されたからといって、単純に決算書が不要になるとは限りません。

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ビジネスローン審査に決算書が必要な理由

多くのビジネスローンで決算書の提出が求められますが、これには理由があります。決算書によって、会社の状況を客観的に判断することができるためです。実際どのようなことが分かるのか、決算書から読み取れることをいくつか見ていきましょう。

  • 返済能力

返済能力とは、借入れに対して返済に回す余裕がどれくらいあるかを表しています。
返済能力と聞くと当期純利益(売上から原価や経費などを差し引いた額)を想像するかもしれませんが、実際の売上と返済能力はイコールで結ばれていません。
返済能力を確認する際に重要なのは、実際に支払いに回せる資金が“長期借入金”などの負債を差し引いてどれくらいあるかです。資金といっても不動産などはすぐに換金できないため、現金や預金などの流動性の高いものがどれほどあるかも判断材料となります。
決算書があれば既定の計算式を使い、営業利益から返済能力を推測することが可能なのです。

  • 借入状況

他にローンを組んでいないかなど借入状況は決算書の“貸借対照表”にある負債の項目から判断できます。借入れを既にしているからといって振り落とされる訳ではありませんが、融資する側のリスクヘッジとして重要な情報です。
例えば、借入残高は月商3カ月程度までが適正といわれることが多いため、それを超えた借入れは返済が滞る可能性を考え慎重に審査が行われます。
また、借入れの内容も判断材料になり、事業拡大のための投資であれば将来的なリターンが見込めるので返済が完了する可能性が高いですが、内容次第ではその限りではありません。ビジネスローンを提供している企業では、そうした借入状況とリスクを天秤にかけて審査が行われています。

  • 資産状況

決算書のうち、貸借対照表は資産、負債、純資産(資本)の3つの項目があります。資産がどのくらいあるかも見られる部分ではありますが、それよりも重要なのは“資産の比率”です。
例えば、よく知られた経営分析の方法として『自己資本比率』がありますが、これは純資産を総資産で割った値になります。総資産のうち、純資産がどれくらいの割合を占めるかが分かり、割合が低ければ負債額が多く、財政状況が困難と見極められます。

このように、多くのビジネスローンで提出が条件となっている決算書からは、返済能力・借入状況・資産状況など、さまざまな情報を読み取ることができます。そのため、ビジネスローンにおいて決算書が必要とされるのです。

決算書不要のビジネスローンの注意点

  • 決算書以外の書類が必要になる場合も

決算書が不要でも、他の書類の提出が必要な場合があります。サービスを提供している会社に提出する書類はどのようなものがあるかを事前にしっかり確認しておくことが大切です。

  • 必ず融資が受けられるとは限らない

決算書不要のビジネスローンでも他の融資同様に審査は行われます。ただ、決算書を重視して審査を行わないというだけです。決算書が不要だからといって、必ず融資が受けられるとは限らない点に注意しましょう。

  • 金利が他の金融機関に比べて高い

一般的に、貸付金額が高いほど金利は低くなる傾向にあります。それは貸し付ける側がある程度信用しているためです。しかし、決算書によって信用度が判断できない場合、通常利用するよりも金利が高くなりがちです。

  • 貸付上限額が他の金融機関に比べて低い

決算書で信用度が図れないということは、それだけ多くを貸したら戻ってこない可能性もあるということ。そのため、決算書不要のビジネスローンは貸付上限額が低めに設定されていることが多いです。また、貸付上限額は、法人や事業主の信用度合いで変化するため、希望通りの融資を受けられないこともあります。

ビジネスローン以外に融資を受ける方法

  • ファクタリング

“ファクタリング”とは、売掛金などの売掛債権を売って資金をつくる方法です。将来的に現金として得られる権利を売るため、ビジネスローンとは異なり、使える資金が増える訳ではありません。
一時的に資金が不足している場合など、資金繰りを調整したい時に活用できる方法です。資金繰りに困っている時は使えますが、得られる額が限られるため、設備投資など会社への投資のための資金にはあまり向いていないでしょう。

  • 担保の利用

土地や建物を所有している場合は、それらを担保にして融資を受ける方法もあります。これは、仮に返済ができなくなった時に担保にした土地などを売却して返済金に充てるというシステムです。
ビジネスローンのように融資を受けられますが、上限が担保にする土地や建物の評価に左右されることに注意しなくてはなりません。

  • 公的融資の活用

日本政策金融公庫などの公的融資を活用する方法もあります。公的事業のため、一般的に金利が抑えられている点がメリットですが、審査には時間がかかります。また、どの融資を受けるかにもよりますが、基本的に決算書や事業計画書など複数の書類が必要です。決算書不要ですぐにでも融資を受けたい場合には、あまり向いていない方法です。

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本村 結貴(もとむら ゆき)
この記事は私が書きました
本村 結貴(もとむら ゆき)さん

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、中学英語教諭二種免許、全商簿記1級等所持。一般企業で経理を担当したのち、会計事務所へ転職。その後フリーライターへ転身し、過去の経験を活かして金融や保険に関わる記事を多く手掛ける。

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