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飲食店経営を考えている方は必見!
経営について学ぶべきこととは?

飲食店の開業自体はできたとしても、その後も長く経営し続けるためには日々勉強することが大切です。飲食店は競合が多く、他店にない魅力を常に発信し続ける必要があるからです。今回は飲食店経営の現状や失敗しやすい原因を踏まえた上で、対策法・経営に役立つ資格などをご紹介します。

飲食店経営を取り巻く現状

飲食店の「倒産」「休廃業・解散」件数推移(2000年度〜2018年度)
「倒産」「休廃業・解散」件数推移(2000年度~2018年度)
出典:株式会社帝国データバンク「特別企画「飲食店」の倒産、休廃業・解散動向調査(2018年度)

飲食業は誰でも始めやすい業界と言われています。しかし、2018年度の倒産、休廃業・解散の合計は1,180件と前年度に比べて7.1%増えています。また、業種別休廃業・解散件数の推移についても飲食業は10年前と比較して特に増加している業種とされています。したがって、飲食業は開業しやすい一方で事業を続けることは難しい業種というのが現状と言えるでしょう。

しかし、閉業に追い込まれる原因の一端は自分のお店自体が顧客にとって魅力的でなかったからとも考えられます。競合店が多くても、顧客にとって魅力的であり満足できるお店作りがされていれば、リピーターは増えるはずです。したがって、閉業に追い込まれないために開業前にしっかり勉強してからお店を始めることが必要となるでしょう。

飲食店経営で起こりやすい失敗の原因と対策

  • 曖昧な事業計画

事業計画では、数値で計ることができない定性目標と数値で計ることができる定量目標のどちらも設定すると良いでしょう。定性目標としては「最終的にどんなお店にしたいか」といった理想のイメージです。一方で、定量目標としては毎日・毎月の数値目標を立て、定期的に振り返ることが大切です。

例えば、毎月の売上目標を決め、目標達成には客単価をいくらにすればいいか、目標に届いていなければ今より何%アップしなければならないかを考えます。売上アップには客数を増やす必要もあるため、毎日の目標客数を設定するのも良いでしょう。
その上で週・月ごとに達成できているかを振り返り、達成できた場合は何が功を奏したのか分析し、逆に達成できていない場合は改善できることはないか検討します。

  • どんぶり勘定で収支や採算が取れていない

売上や決算書の数字ばかり気にしてどんぶり勘定で飲食店を経営していると、採算が取れなくなったり、キャッシュが不足したりして、飲食店経営に失敗する原因となります。

まずは、中期目標として「今月はいくら売り上げる」という大きな成果目標を掲げることが大切です。
目標を立てたらそれを達成するために、短期目標として1日あるいは1週間で使える経費の上限を決めて予算を組み、収支の計画を立てましょう。できれば毎日売上を集計し、入金や出金の状態を把握するのが望ましいです。こまめに入出金状況を把握することで実際の利益が今どのくらい達成できているか、予算内で収まっているかなどをチェックでき、円滑な資金繰りにもつながるはずです。

  • 情報収集・宣伝の不足

いざ経営を始めるとオープン時は勢いがあってもその後の客数が伸びず、売上が伸びないまま失敗するケースもあります。

集客については、まずはターゲットとなる客層を決めましょう。その上で、ターゲット層にお店に来てもらうために具体的な広告や宣伝を行います。
例えば、「1日1回はSNSやWEBサイトにお店の情報をアップして認知度を高める努力をする」「定期的にポスティングやクーポン雑誌へ広告投稿して積極的に多くの人に知ってもらえるようにする」などです。
また、顧客のニーズを満たすために空いた時間はメニュー開発に充て、知人や専門家など第三者に試食してもらってヒアリングするのも良いでしょう。
さらに、自分で決めた頻度に合わせて街を歩いたり、他店を視察して情報収集するのもおすすめです。社会全体の様子や、飲食業界のトレンドを知ることにもつながるでしょう。情報収集して発見したことが、お店が抱える課題の解消につながることもあるはずです。

飲食店経営に役立つ資格、必要な資格

飲食店経営を成功させるには、開業する前に経営に役立つ資格の取得や飲食に役立つ勉強をしておくのも一つの方法です。

  • 食品衛生管理責任者

食品衛生管理責任者とは、食品衛生上の管理運営を行う人のことで、飲食店を営業する場合に必要となる資格です。各飲食店に必ず1人置くことが義務付けられており、保健所にも届け出が必要です。調理師や栄養士の資格を持たない場合は、各都道府県で実施される講習会を受講することで食品衛生管理責任者の資格を取得できます。講習は通常1日で、受講料は10,000円程度となっています。

  • 防火管理者

防火管理者の資格も、収容人員が30人以上の店舗の場合は選任する必要がある資格の一つです。各地の消防署が実施する講習会を受講すれば資格取得が可能です。ただし、防火管理者の資格は店舗の延床面積に応じて甲種と乙種が分かれているので注意が必要です。受講期間は甲種が2日、乙種は1日ですので、確認してから受講しましょう。受講料はテキスト代として7,000~10,000円程度必要です。

  • 簿記

飲食店経営をするにあたって、お金の流れを把握することは重要です。収支の把握や経営予測に簿記の勉強は非常に役立ちます。決算書の作成自体は税理士に任せるかもしれませんが、自分でも数字が読めるようになれば経営状態の正確な把握にもつながるでしょう。日商簿記は1級までありますが、経営には3級程度でも十分役立ちます。

  • 調理師、栄養士資格

調理師や栄養士の資格は持っていなくても飲食店を開業することは可能ですが、非常に経営に役立つ資格です。調理師免許や栄養士の資格を持つことで顧客に対して“専門家が調理している” “栄養バランスを考えたメニュー作りをしているお店”というアピールになるでしょう。一定の技術や知識を持っている証明になるため、信頼にもつながりやすいと考えられます。好き嫌いの多い人や高齢者でも食べやすいメニューを開発すれば集客効果も期待できます。
さらに、調理師や栄養士の資格を持っていれば食品衛生管理責任者の資格を自動的に取得することができます。

今日からできる、飲食店経営の勉強方法

飲食店経営についての勉強方法は、いくつか手段が考えられます。安定して事業を継続するためにもそれぞれの方法を組み合わせながら勉強し、経営のヒントに役立てましょう。

  • 経営に関する本を読む

飲食店経営の勉強には、経営学を学ぶことも大切です。経営学を学ぶ最もベーシックな方法が読書でのインプットです。例えば、集客方法やマーケティング、マネジメントに関する本、メニュー開発のヒントになりそうな雑誌、資金調達や会計に関する専門書などを読んでみるのも良いでしょう。あるいは新聞の購読やネットコラムの閲覧などの方法も考えられます。

  • セミナーや勉強会に参加する

本だけでなく、セミナーや勉強会に参加するのも飲食店経営の勉強には効果的です。同じような志を持つ同業種との交流や全く違う分野で頑張っている異業種の経営者と関わることにより、刺激を受けることも多いでしょう。今のトレンドやSNSの活用方法、資金調達方法など、情報収集や経営の悩みに関するヒントも得られるはずです。

  • 定期的に競合店を視察する

店舗経営には情報収集も重要な要素の一つなので、定期的な競合店の視察も経営のヒントを見つけるチャンスと言えるでしょう。実際に店舗に行く方法もありますし、SNSからチェックする方法もあります。他店と比較することで、問題解消のきっかけが見つかるかもしれません。あるいは、トレンドを知り自分のお店の課題を発見することもあるでしょう。

飲食業は競合店が多く、トレンドも刻々と変化するものであり、日々勉強が必要な業界です。日頃からアンテナを張り、地道な努力がなければ経営に失敗するリスクも高まるでしょう。なんとなく飲食店経営を始めるのではなく、開業前にしっかりと勉強し、オープンしてからも勉強を続け、お客様に愛されるお店づくりを実現しましょう。

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山本勧(やまもと すすむ)
この記事は私が書きました
山本 勧(やまもと すすむ)さん

不動産会社に5年勤務後、会計事務所に勤める。現在は独立し、フリーライターとして活躍。主に不動産関係やお金についての記事をメインで執筆。

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