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円滑な事業承継のために!
「後継者育成計画」の3つのステップ

経営者の高齢化が進む中、60代の約半数の経営者が後継者を確保できていない現実があります。事業承継は資産のみの承継ではありません。企業の継続的な成長を実現できてこそのものです。早い段階で対策することで、よりスムーズな事業承継に臨みましょう。

60代経営者の約半数が後継者不足

2019年版「中小企業白書」のデータによると、2018年における中小企業の経営者の年齢は69歳がピークとされており、1995年には47歳だったピークが23年間で22歳も高齢化していることがわかります。
一方、この年齢に近づく60代の経営者の後継者確保状況を見てみると、48.7%と約半数が確保できていません

世代別に見た中小企業の経営者年齢の分布
中小企業白書(2019)より
注)プロットは年齢区分5歳刻み(1歳刻みのプロットでは1995年のピーク年齢が47歳、2015年のピーク年齢が69歳)
社長年齢別に見た「後継者決定状況」
中小企業白書(2018)より

後継者候補としてまず考えられるのが現経営者の子ども等、親族でしょう。しかし職業が多様化した今、親の会社を継ぎたくないという考えがあっても不思議ではありません。
次に役員や従業員を後継者にと考える方も多いでしょう。しかし、数多くの中小企業の経営者は創業経営者として活躍してきた経緯があり、リーダーシップを発揮できる従業員の育成に力を入れておらず、すぐに経営者として交代できる従業員が存在するケースは少ないと言えます。
三つ目の選択肢としては、最近増えている第三者によるM&Aがあります。こちらも希望通りの承継先を探すには時間を要することから、親族や従業員の中に後継者が見つからない場合には、早めに準備しておくと良いでしょう。

従業員を次世代リーダーとして育成するための「後継者育成計画」

そこで、今回は二番目に挙げた選択肢「従業員承継」のための、後継者育成計画についてのポイントをご紹介します。後継者育成計画とは、経営者や幹部クラスなどの重要ポストの後継者を確保し、次世代リーダーとして育成することを目的としたもので、サクセッションプランと呼ばれます。早い段階で後継者を選出し、事業承継を行う前から経営者に必要な考え方や新規事業創出、経営のスキームなどを計画的に身につけていくことが大切になります。

サクセッションプランの3つのステップ

サクセッションプランの具体的なステップ

ステップ1では、創業者が描き続けてきた経営理念や経営ビジョンを正しく理解し、将来経営を担うために必要な知識、スキル、マインドなどを具体的に洗い出しておくことが必要です。
ステップ2では、社内で行う様々な研修や実績から優秀な人材を選抜する方法が一般的です。
ステップ3では、後継者が経営に参画することで経験値を獲得し、経営者に不可欠なリーダーシップや意思決定の力を身につけたり、社外の研修や経営大学院(MBA)などに参加させることで、経営学の基礎・実践を学ばせる方法もあります。

昨今、経営者や後継者を対象にした経営セミナーを開催する金融機関や公的機関も多いため、社外のセミナーを活用することも有効な手段と言えます。
特に、こうしたセミナーや講習会は、新しいビジネススタイルや経営者に必要な知識が身につくだけでなく、他の経営者・後継者とのコネクション構築にも有効です。
また、経営者には幅広い視点から物事を考える力が必要ですが、その力を身につけるには、別の会社を経験させたり、社内で複数の部署をローテーションさせるなどして、よりスムーズな事業承継に繋げましょう。

事業承継に関するご相談は、リクルートの後継者探し・買手企業様探しサービス『事業承継総合センター』まで
電話:0120-15-7207(平日10:00~19:00)

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玄場 公規(げんば きみのり)
この記事は私が書きました
玄場 公規(げんば きみのり)さん

法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科・教授。大阪大学大学院工学系研究科・招聘教授。東京大学学術博士。三和総合研究所研究員、東京大学大学院工学系研究科助手、東京大学工学系研究科アクセンチュア寄附講座助教授、スタンフォード大学客員研究員、芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科助教授、立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科副研究科長・教授を経て現職に。『後継者・右腕経営者のための事業承継7つのステップ』など著書多数。

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