thumbnail

借金は経営者にとって「正」である
【小山昇さんが教える、経営者とお金の付き合い方・前編】

「経営で一番大切なことは黒字化ではなく、お金を回し続けることであり、そのためには借りられるだけ借りるべき」。自らも経営者でありながら、これまでに700社以上の中小企業経営者に対して経営の指導を行ってきた小山昇さんの主張は、「無借金経営がよい」とする一般的な考え方とは真逆です。今回はそんな小山さんに、経営者とお金の付き合い方についてお話を伺いました。前編の本記事では、中小企業経営者にとってお金を借りることの重要性についてお伝えします。

取材にご協力いただきました
小山 昇(こやま のぼる)さん

株式会社武蔵野代表取締役社長。既存のダスキン事業に加え2001年より経営サポート事業を展開し、現在までに700社以上の会員企業経営者を指導した実績を持つ。1999年度「電子メッセージング協議会会長賞」、2001年度「経済産業大臣賞」、2004年度「IT経営百選最優秀賞」をそれぞれ受賞。2000年、2010年には「日本経営品質賞」を日本で初めて2回受賞している。『儲かりたいならまずココから変えなさい!赤字から最短で脱出する「正しい手順」』『数字は人格』『お金は愛』ほか著書多数。

借金は「事業にかける保険」と捉える

多くの人や建物には「何かあったとき」に備えて保険がかけられています。では事業にとっての保険は何でしょうか? それが借金です。業績が悪化したときに、キャッシュがあれば様々な打ち手を検討することができますし、たとえ赤字でも倒産しないと小山さんは言います。そのため、できる限りお金を借りて月商の3倍分程度のキャッシュを確保しておくことが重要です。リーマンショックの際に倒産した上場会社の約半数は、純利益が黒字であったのにもかかわらずキャッシュが足りずに黒字倒産しました。このことからも、黒字化よりもキャッシュを持つことの方が重要だということがお分かりいただけるかと思います。

金利は無駄ではなく必要経費

それでも多くの経営者が「金利を払うのはもったいない」と考えて、できるだけ早く返済しようとします。しかし小山さんは「使わなくてもそのまま持っておくべき」だと言います。お金がないと攻めるべきときに使えないからです。「必要なときに借りればいい」という考えは間違いで、そのときに借りられるかどうかは保証できません。常にキャッシュを確保しておくことで、使うべき局面でスピーディーに行動することができるのです。同じ経常利益でも、キャッシュを持つ会社とそうでない会社とでは勝負は明らかです。金利はそのための必要経費だと考えましょう。


借金そのものよりも使い方が問題

日本では一般的に「借金=怖いもの」というイメージが根強くあります。しかし、小山さんがこれまでに借金を増やすよう指導してきた中小企業のなかで倒産した会社はゼロ。お金を借りること自体が悪いのではなく、要は使い方の問題なのです。実際、お金を使うのはスキルのいることだと小山さんは言います。ではそのスキルはどう磨けばいいのでしょうか? それは「うまくいっている人に聞いて真似をすること」。経営者ともなると人に聞くことを躊躇する人が多いようですが、小山さん曰く「聞くことは決して恥ずかしいことではなく、聞けない方が恥ずかしい」のです。後編では、借りたお金の使い方についてお伝えします。

同じキーワードを含む
記事を探す

Yuna Park(ユナ・パク)
この記事は私が書きました
Yuna Park(ユナ・パク)さん

教材・結婚情報誌の編集・企画業務を経て、サンフランシスコのUXデザインコンサルティング会社で社内外のコンテンツマーケティングの統括責任者を務めた経歴を持つ。現在は独立しライター・マーケティングコンサルタントとして活動中。

キーワードから探す

トップに戻る