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中小企業診断士が伝えたい
「未来」の会社を作るために、今できる新型コロナウイルス対策

新型コロナウイルスの影響を受け、多くの経営者が営業自粛や営業時間の短縮など歯がゆい思いをしています。しかし、最近では「一歩ずつ前に進む行動」を取り始める方も増えてきました。今回は、中小企業診断士として活動する中で見えてきたコロナへの対応策をご紹介します。

コロナ後を見越した経営において目を付けたい「ポイント」となるはずですので、ぜひ参考にできる部分は実践してみてください。

事例で確認! 新しいビジネスモデルを生み出し、販路を拡大する

  • 【飲食店の事例】オンライン飲み会からファンを増やす

最近、オンライン飲み会の流行に合わせて「オンライン飲み会セット」が登場しています。中でも、新しいビジネスモデルに成長しつつあるのが「プロならではの発想で魅せるオンライン飲み会」です。

ある日本酒を扱う飲食店は、蔵元と一緒に美酒を楽しむオンラインイベントを企画しました。参加者には、事前に蔵元こだわりの日本酒数種類とマリアージュする軽食メニューを送ります。イベント日には、オンライン上で飲食店オーナーや蔵元との会話を楽しみながら、美酒に酔うことができます。
(価格例:日本酒3種、軽食3種、チェイサー・グラス付きで15,000円/送料込)

お酒が好きな方なら誰でも参加したくなるこだわりの企画はすぐに浸透しました。オンラインなら1人参加のハードルも低く全国どこからでも参加できるため、コロナ後も継続的に実施することができるでしょう。実際に飲食店、顧客ともにメリットがあるため、リピーターも増えています。

飲食店側のメリット、顧客側のメリット
  • 【美容サロン・宿泊施設の事例】販売ラインナップを増やし、客単価を上げる

サービス業の場合、通常店舗で販売するのは自社関連商品です。美容サロンであればシャンプーやコンディショナー、宿泊施設であればご当地のお土産等です。

しかし、今は顧客の志向に合わせて商品ラインナップを増やすチャンスでもあります。例えば、すぐに使える消毒液や手作りマスクの販売等です。今、この時期に考えている「顧客視点の販売ラインナップ」の中には、コロナ後も有効な商品となる物もあるでしょう。

ただその際、自社のブランドイメージやサービスから逸脱しないことが重要です。美容系なら消毒液でも「アロマの香りがする」など、こだわりは大切にしましょう。また、事前に仕入れ販路の確保や、複数の顧客との会話で「ニーズ」の規模を把握することは必ず行いましょう。

コロナ対策は企業姿勢を伝えるチャンス!
サービスを「見える化」して、ファンを増やす

コロナ禍の店舗運営において「店舗や宿泊施設がいかにお客様を大切にしているか」を示すことは非常に大切です。
その代表例が、コロナ感染予防の観点で今や常識となりつつある窓を開けて換気をすること、入口でのアルコール消毒を徹底すること、席同士の間隔を空けること等です。お客様に、きちんと対策しているから安心して通えると思ってもらうことが店舗運営の第一歩です。

さらに、空調設備や客席レイアウト変更など環境改善を行い「ここまで顧客のことを考えてくれているんだ、さすがだな!」と喜んでもらえるサービスを提供することができれば、リピーターからファンになる顧客も増えてくるでしょう。
環境改善に設備投資が必要な場合は、補助金などを活用することもできます。ぜひ使える補助金を上手に活用しましょう。

コロナ対策は従業員育成のチャンス!
顧客視点の対策を徹底し、従業員の育成スピードを速める

多くの経営者は、日頃から接客指導に力を入れていると思います。それは、美容サロンにおける技術力や、宿泊施設における食事や設備などと同様に「居心地の良さ」が満足やリピートにつながるからです。一般的に、お客様への声かけや心地良い立ち居振る舞いの習得には時間がかかりますが、コロナ対策の徹底は従業員の育成スピードを速めることにも役立ちます。

例えば、美容サロンや宿泊施設などにおける規模を縮小した接客です。普段は分業でサービスを行っている施設でも、複数のスタッフとの接触を避けるため「少人数で接客」する方針に切り替えるところが増えています。

その際、一連のサービスを一人で行うことが必要になってくるため、自然とベテランスタッフが担当することが多くなります。これは、若手にとってはフォロー役として先輩の接客すべてを近くで見るチャンスです。サービスの一部分だけではなく、一連の流れを見て真似できることで、分業時よりも短期間で多くのことを覚えることができる機会と捉えましょう。

顧客視点のサービスで、アイデアを売上アップにつなげることは簡単ではありません。しかし、今回のコロナ対策で「お客様のために実践していること」「お客様に喜んでいただいたこと」を軸にコロナ後のサービスを考えることは、未来の経営を支えていくことになるでしょう。長く続く事が予想されるコロナ禍における店舗経営、今からできることを少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。

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昌子 久美子(しょうじ くみこ)
この記事は私が書きました
昌子 久美子(しょうじ くみこ)さん

(一社)城西コンサルタントグループ シニアコンサルタント。中小企業診断士、経営学修士、国家資格キャリアコンサルタント、東京都中小企業診断士協会正会員。国内エアラインの客室乗務員を経て、教育サービス会社でマーケティング全般を担当。現在は中小企業の経営診断、創業支援、マーケティング支援、販促支援、補助金申請支援を中心にコンサルティングを行う。顧客視点の人材育成・研修には定評がある。

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