使わないと勿体ない補助金の基礎
【中小企業診断士が教える補助金活用①】

中小企業を活性化させる目的で国や自治体などから交付される補助金。経済産業省だけでなく地方自治体や民間などから出ているものを合計すると年間3,000件以上あるとも言われています。そんな補助金をうまく活用している中小企業経営者がいる一方、活用しきれていない人も多いのが実情。そこで今回は中小企業診断士の姫田光太さんに、補助金の基本と活用事例、さらに申請にあたって考えるべきことまで伺いました。第1回の本記事では「そもそも補助金とは?」についてお伝えします。

設備投資や集客施策に活用できるのが補助金

補助金というと製造業のイメージが強いかもしれませんが、飲食店・美容室・宿泊施設のようなサービス業でも活用されています。実際、新設備・システムの導入や店舗内装・外観のリニューアル、ウェブサイト構築やメニューブック・カタログの改善など、主にインフラや集客施策に活用されるケースが多く、どんな店舗・施設でも何かしらの補助金対象になると言っても過言ではないでしょう。ちなみに補助金によく似たものとして助成金がありますが、これは用途が採用や研修等の「人に関するもの」に限定され、別物です。ただし、東京都の補助金の名前は「助成事業」という名前なので間違えないよう注意しましょう。

補助金と助成金の違い

補助金を受け取るまでのステップは長い

補助金を受けるには審査があり、採択率は一般的に3~5割だと言われています。審査を受けるには、まず事業計画書を作成して期限までに提出します。採択されると、次に交付申請書を提出します。それが受理されて初めて交付決定となり、業者に相見積もりを取ったり、資金調達を開始したりすることが可能になります。プロジェクトはこの交付決定から半年以内に実行しなければなりません。またプロジェクトの途中で経過報告書、終了後には終了報告書など、実行中や終了後も書類提出が求められます。この流れを最初に理解し、補助金申請にかかるタイムラインや労力を事前に見積もっておくことが重要です。

補助金を受け取るまでのステップ

満額が事前にもらえるわけではない

補助金申請にあたって事前に理解しておきたいのが、欲しい額が全部もらえるわけではない点です。一般的に補助率はそのプロジェクトに必要な総額の1/2あるいは2/3と言われています。たとえば補助率が2/3の場合、看板とメニューをリニューアルするプロジェクトで75万円必要だとすると、補助金としてもらえる額は50万円となります。さらに注意したいのは、補助金はプロジェクト終了後に振り込まれるため、最初に資金調達が必要な場合があるということです。先ほどのケースだと、75万円をまず自分で用意して支払いを行わなければならず、手持ちの資金がない場合は借入れが必要です。そのため、審査の中では資金調達力も問われることになります。次回は実際に補助金を活用した飲食店の事例をお伝えします。

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姫田 光太(ひめた こうた)さん
株式会社補助金採択支援室代表取締役。姫田経営事務所代表。中小企業診断士(登録414835号)、事業再生士補(ATP01544)、千葉県中小企業診断士協会正会員、東京都中小企業診断士協会正会員(中央支部所属)、中小企業庁ミラサポ登録専門家、千葉県産業振興センター登録専門家、東京都観光財団アドバイザー、会計ソフトfreee認定アドバイザー、千葉県中小企業診断士協会認定事業承継支援マスター。経営改善と販売促進・マーケティング支援コンサルタント。経済産業省の補助金を活用した販路開拓支援に定評がある。経営改善の仕組みづくりと実行支援、さらには新商品開発・新サービス開発の支援に実績多数。
https://hojokin-joseikin.com

2019.4.3

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